真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫 や 11-6)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2019年1月11日発売)
3.73
  • (38)
  • (108)
  • (88)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 919
感想 : 76
4

山口恵以子さんの描写はなぜ美味しさが伝わってくるのだろう。
季節やはじめ食堂で繰り広げられる心温まる出来事がそうさせているのは間違いない。
それだけではない隠し味があるように思うのだ。

真夏の焼きそば
お世辞と坊主の頭はゆった事がない、っていう表現も面白い。ブルドック、シェパードって、ブルドックソースは知っているが・・・

禁断のチーズ和え
イチジクチーズ、食べたい。二三の言語能力も大したものだ。
初めてのハラール
洋風料理が続くが、イスラムでハラームは豚肉やアルコールなど食べられないもの。ハラールはそれ以外で、私の場合は、全ての食材を指す。

過ぎし日のカブラ蒸し
秋刀魚の塩焼きも大好きだ。周りから私の食べた後は綺麗だと言われる。きっと魚が好きだからかもしれない。残るのは頭と骨と尻尾だけになる。
カブラ蒸しと茶碗蒸しは微妙に違う、イヤ別ものだ。でも、カブラ蒸しは、ゆりねや銀杏が入っていると高級料亭に来た気分になる。ここで登場した女子高生は、今後の布石だろうか?
気の強い小鍋立て
気が強いだけでは本当の強さとは言えないと思う。他者への優しさがあって、礼節をわきまえることができ、信念に基づいて行動する人が本当の強い人だと思う。

万里の成長も目に見える。適性もあるのだろうが、どこか危うさもあって心配になる。しかし、万里の成長も隠し味なのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 山口恵以子
感想投稿日 : 2024年3月26日
読了日 : 2024年3月26日
本棚登録日 : 2024年3月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする