チェルノブイリの被害者やその家族の話を記録している。日常生活の中に音もなく静かに入ってきて、静かに人間を壊していく放射能。共産主義の同調圧力や、何も問題はないと言い続けた首脳部の罪もさることながら、それよりも普通の人々が普通に愛していた人々や日常を突然壊される身も世もない悲しみが心に残った。言葉にすると陳腐だが、ただその人への愛を語ることが、何より失ったものの大きさやこの事態の非日常さ、恐ろしさを雄弁に語っていると思う。最後の「孤独な人間の声」の、最愛の夫を失った女性の話が切ない。
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- 感想投稿日 : 2020年5月1日
- 読了日 : 2020年5月1日
- 本棚登録日 : 2019年3月19日
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