高級マンションの一室で暮らす、わたし・奏絵とまひる。ふたりの共通点は、同じ男性の愛人であること。
「この日々が永遠じゃないことはわかっている。けれど、永遠なんて、どこにもないのだから、それで構わない」。そう割り切って始めたはずの奇妙な共同生活。
だが、食事をともにする機会を重ねるうち、奏絵は、まひるとの生活を、大切なものへと思い始めている自分に気づく――恋敵と食べるごはんは、どうしてけっこう美味しいんだろう。
私の大好きな作家、加藤千恵の長編小説です。
同じ男性の愛人である二人の女性がルームシェア。とっても奇妙な関係ですが、そこにあるのは愛しくて微笑ましい穏やかな生活。
それでも危ういバランスでしか繋がっていられない二人の心が、丁寧に繊細に描かれていてそれがとても切ないです。
少ない登場人物でもここまで豊かな物語がつくれるんだなぁと思いました。
ドロドロした設定ですが読了後は少し優しい気持ちになれます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(国内)
- 感想投稿日 : 2013年6月18日
- 読了日 : 2013年6月13日
- 本棚登録日 : 2013年6月12日
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