高校生が、大学受験の現代文試験対策として読むというのが一番ぴったりくる感じの本ではあるが、私のような社会人が読解力向上を目的として読んでも為になることが色々と書かれており楽しめた。
本書は現代文の入試問題のような構成になっており、前半が小説、後半が論説文となっている。
そして、問題の前にその章でポイントとなる事項や文章の読み方などが示され、それを頭に置いて問題に出てくる文章を読むと、確かにそうだよねという風に、その文章に仕掛けられている技巧が手に取るように分かるという秀逸な内容。
解説はまっとうな文章の読み方を説くところもあるが、意外にも予備校で教えそうな現代文解法テクニック的な話しも出てきて、どれも解説はわかりやすく納得感が高い。
500ページ近くある大著なので、小説は芥川の「羅生門」、論説文は亀井勝一郎の「文学と青春」の本文と問題・解説を読んだだけだが、以上述べたとおり、文章を味わう技法が身につく素晴らしい内容。
1ページ当たりの文字数が多く、それに対して文庫本サイズなので、字が小さく老眼には厳しい点が難点。
とはいえ、読者の大半は若者だからいいのか…(笑)。
読書状況:いま読んでる
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カテゴリ:
読書法
- 感想投稿日 : 2021年11月27日
- 本棚登録日 : 2021年11月27日
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