採用力を確実に上げる面接の強化書

著者 :
  • 翔泳社 (2008年1月1日発売)
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感想 : 11
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著者は新卒でリクルートの人事部に入り、それ以降人事畑を歩まれ、その経験に基づき本書を著したようである。

本書は、タイトルどおり面接のノウハウが相当詳しく書かれている。
目新しい視点は、ほしい人材を入社させるために、面接官自身の入社動機をドラマチックに語れなど、面接官が求職者に対して、自分のいる会社の魅力や自分自身の経験をどう売り込んでいくかという点を詳述している点。

もちろん、会社の長所や他社との比較で優れている点など
はどの面接官もネタとして話すのだろうが、このような場合、求職者にとっては興味のない自慢話を聞かされているようで、逆に白けてしまう。

一方、著者が言っているのは、会社の魅力を売り込むと同時に求職者からの共感を得るように話すということである。
例えば、求職者から「御社の課題は」と聞かれた場合、正直に課題を伝えたうえで、その課題に向き合って解決していこうという企業姿勢を具体的に説明することで、求職者に対する誠実な態度を示すと同時に求職者の不安を払しょくすることにもつながる。

この他にも、面接官は部署や役職に縛られず、エース級の社員を登用せよという。曰く採用は営業であると。
これは、類書でも言われていることだが、本書がすごいのは、社内の面接官候補社員の出身高校、大学での専攻、入社経緯や入社後ん担当業務など細かい内容の一覧データを作り、それに基づき求職者と接点のありそうな社員を面接にあてるという点だ。
面接する側もされる側も何らかの接点があると、比較的会話も弾みやすく、求職者の本音も聞きだしやすくなるのである。

人事担当者が読めば、かなり参考になる部分があると思うが、もう少し文章量を減らして読みやすくしたり、項目ごとにまとめを作るなどすれば、なお良いと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人事
感想投稿日 : 2010年12月18日
読了日 : 2010年12月18日
本棚登録日 : 2010年12月18日

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