良く分からない医学用語や会話が出てくるが、不思議なもので特に問題となずスラスラ読める。13階段からお気に入りの高野和明の小説。
なんだか自尊心が傷ついたような感覚。うまく説明できないのは、自尊心がまだ生きているからか。
以下、ネタバレ含む(備忘録)。
現人間の知能を凌駕する新人類の存在を巡る物語。
救われた命と失われた命。目を背けてしまいそうな残虐な描写が多数ある。
複数の主要人物それぞれの視点から描かれる。
名も無い学生、元グリーンベレー、政府内の人間等々。登場人物達は物語に関わる動機を持っており、導かれるように逃れられない危機を迎えることになる。
国家、政府、個人の感情渦巻く活劇は目が離せない。誰かの為に命を懸け、誰かの為に命を守り、戦い抜くことを決意した主人公たちは、未来に何を見出したのだろうか。
現人類はいずれ淘汰される運命にあるのだろう。永遠の繁栄なんて無いことは確実なのに、やっぱり空想の世界にいるような感覚。せめて希望くらいは抱いていいよね。生き物だもん。仕方ない。
そんなことを考えてしまう作品だった。
読了。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月14日
- 読了日 : 2021年10月14日
- 本棚登録日 : 2021年7月14日
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