幽霊塔

著者 :
  • 岩波書店 (2015年6月6日発売)
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本棚登録 : 1016
感想 : 89

原作は海外小説であり、黒岩涙香の翻訳小説を江戸川乱歩が登場人物を日本人に変えてリライトした作品。今年公開された宮﨑駿の『君たちはどう生きるか』でもモチーフのひとつとして使われており、影響力の強さがうかがえる。ドラマチックかつ子どもから大人まで楽しめるストーリーと、乱歩による読みやすく格式のある文体ですいすい楽しい気分で読めちゃいます。ジャンルは探偵小説ですが探偵はあまり出番が無く、かといって主人公が何か解決するわけでもないので、読者も流されるまま筋を追うのが正解かと。場面場面のビジュアルが結構印象的で、幽霊塔での冒険だったり、美女が虎に襲われたり、池の中から首なしの死体が発見されたりディテールに原作と乱歩の良さが乗り、相乗効果を生んでいる。面白かった~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月17日
読了日 : 2023年10月17日
本棚登録日 : 2023年10月17日

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