排出権をめぐる国家、企業、個人の動きを描く。国際交渉の機微や主人公松川冴子の人生、国枝の亡き子の葬式で聞いた「物心一如/親鸞」といったサブストーリーも読み応えがある。
日進月歩の制度変更で古く感じる部分もあるが、温暖化と国際制度、産業、金融を描いたスケールの大きい作品。パリ協定、SDGs、ESGといった言葉が一般化した現代の気候変動をめぐる動きを少し遡って考える一助となる。そもそも温暖化は事実かという10年前の筆者の問いはむしろ今読むことで複雑な読後感を残す。
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- 感想投稿日 : 2019年6月19日
- 読了日 : 2019年6月19日
- 本棚登録日 : 2019年6月19日
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