「私」が回想と想像を重ねて、それらが入れ子状となって複雑で豊かな世界を構成していく。
「私」が回想を重ねるたびに、呼応するかのように、自然と、読んでいる自分の過去の記憶が引きずり出される。忘れていることばかりだし、覚えていることばかりだ。意外と自分は、複雑で豊かな世界を生きてきたのだということを思い知る。
小説は537ページにおよぶ。読み終わる頃には、小説に出てきた物事の大部分は、忘れていることばかりだし、覚えていることばかりだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代文学(日本)
- 感想投稿日 : 2021年12月4日
- 読了日 : 2021年12月4日
- 本棚登録日 : 2021年9月17日
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