奥さん、知ってるでしょう?
「水曜どうでしょう」のカメラ担当ディレクター、嬉野雅道の本でございます。
わたくし、出演者2人よりも藤村ディレクターよりも、うれしーが好きなんでございます。
決してイケイケGOGO!ではない、ゆるさ。
頑固にマイペースを守り、常識に疑問を呈し、何物をも否定しない。
ご実家がお寺なので、その影響は強いと思いますが、なんと言いましょうか言葉に説得力がございます。
自分が生きる意味は自分にはわからない。
でも、周りの人がきっと知っているんじゃないか。
“幸福って、けして人を大きく育てはしない気がするから。
だったら小っちゃくて好いね。だって、とっても幸福なんだから。”
欲張らない。ひとり占めしない。
だからみんなで幸せ。
自分は温室育ちなので、辛いことが苦手ですと言い切るうれしー。
“私は温室に育つか弱い生きものです。ならばその私が生きられる世界は、ほとんどの人もたやすく生きうる世界であるはずです。ならば私はひとつの風見鶏です。私が枯れていなければきっと誰も枯れない。”
本当は1章1章をゆっくり味わって読むべきなのかもしれません。
あとからじわじわ効いてくるうれしー節を、私はまたもやがっついて読んでしまいました。
文書のプロではないので、少しくせのある文体は慣れない人には違和感があるかもしれません。
でも。
自然体でのびやかに生きたい人の、心の支えになるような言葉がいっぱい詰まっています。
取り越し苦労をして一歩を踏み出せない人には、取り越し苦労の方へ引っ張られないように。
「人間は意識を向けたものに引っ張られるんです」
“この緑豊かな島国の上でいつまでも幸福に生きる姿を世界に見せ続ける。
それが、日本人の果たすべき、国際貢献になるのだと。”
うれしー、珍しく断言しています。
会社の会議室で、勤務時間中にカフェを開いちゃうおっさんの心の内を、どうか皆さんにも知っていただきたい。
そんなことを読み終わったときに思いましたよ。
- 感想投稿日 : 2015年9月6日
- 読了日 : 2015年9月6日
- 本棚登録日 : 2015年9月6日
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