七王国の騎士 (氷と炎の歌)

  • 早川書房 (2016年12月20日発売)
4.16
  • (9)
  • (11)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 70
感想 : 13
5

目次
・草臥しの騎士
・誓約の剣
・謎の騎士

4センチの厚さの本にいささかビビったけど、読んでみると一気。
ああ、やっぱり面白い、氷と炎の歌。

身長2m10cmと高身長ながら、まだ年若い「草臥しの騎士」ダンク。
草臥しの騎士とは、草の上で寝る、つまり主人を持たない流浪の騎士。今でいう傭兵のようなもの。
若さゆえの正義感と、若いくせに頑固なことが災いして、行く先々でトラブルに巻き込まれる。

従者のエッグはまだ10歳くらいの子どもだが、貴族の紋章や人間関係に妙に詳しい。
それもそのはず、エッグは王室直系のお坊ちゃまなのだから。
しかし自ら望んで草臥しの騎士の従士となり、乏しい食事を我慢して、馬の世話など重労働に明け暮れる。

先先代の王が、嫡子ではない王子に位を譲ったものだから、王家も、それを担ぎ上げる貴族もが二つに分かれ、大きな戦が起こったのは十数年前。
一応の決着はついたとはいえ、争いの火種はあちらこちらでくすぶっている。

主人公なのにそれほど腕が立つわけではないし、もてないくせに惚れっぽいし、若いくせにやたら考え過ぎるし、頑固だし、要領悪いし、間も悪いし。
そんなダンクをなんとか手助けしようと、エッグが身分を明かそうとすると事態は余計にこじれてしまう。

そりゃあそうだ。
小汚い小僧だと思って邪険にしていたら、実は王家のプリンスでしたなんて、証拠隠滅のために身ぐるみ剥いで殺してしまえとなったって文句は言えない。

ダンクにしたって、自分は殴りつけてもこき使ってもいいけれど、万が一エッグの身に何か起こったら責任問題になるのは目に見えている。
それでも、いいコンビなんだ、彼ら。

要領よく生きたいと思っていても、結局損得ではなく信義に基づいて動いてしまうダンクはエッグくらい小回りの利く従者がいた方がいい。

作者はこのシリーズも続けていきたいようなので、いずれエッグは王になって(デナーリスのお祖父ちゃん?)、ダンクは〈王の盾〉になるのかもしれない。
でも、まずは本編完成させて!
ドラマの方が原作追い越しちゃったから、ジョン・スノウの正体をうっかり知っちゃったよ!全くもう!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年8月1日
読了日 : 2018年8月1日
本棚登録日 : 2018年8月1日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする