Dの複合 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1973年12月25日発売)
3.50
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本棚登録 : 593
感想 : 60
4

松本清張の風土民俗への強い関心は言うまでもないが、他の作品に輪をかけて紀行文的であるところが特徴的であり、非常に愉しかった。私のようにひねもす日本地図を眺めていられる人種には堪らないだろう。

一方で、その両軸となるミステリ的側面はやや体裁的に感じた。いわゆるミステリを期待する人や、松本清張をあまり読んだことがない人には勧めない。 

ところで物語のキーワードとなる船舶の名前だが、その画数が35になっている。特に言及が無かったので偶然なのかもしれないが、氏の遊び心を想像せずにはいられない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月15日
読了日 : 2021年6月15日
本棚登録日 : 2021年6月15日

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