たとへば君―四十年の恋歌

  • 文藝春秋 (2011年7月8日発売)
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感想 : 57
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「たとへば君」という歌との出会いは、強烈だった。ガサッと心臓をすくわれたような気持ちになった。
それから約十年。書店で「たとへば君」というタイトルを見て、「あ、あの歌」と記憶がよみがえった。作者の名前も初めて意識したし、夫さんが歌人だというのも、初めて知った。乳癌で亡くなったということも。
歌人・河野裕子という人の生涯や夫婦での相聞歌、代表的な作品、手記、いろいろなものが散りばめられていたが、やはり私にとってこの人は「たとへば君」である。生涯で何首も歌を詠んだだろうが、私にはこの一首で十分だ。ガサッと落ち葉すくうように私をさらって行ったあの歌。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 短歌
感想投稿日 : 2011年11月21日
読了日 : 2011年11月21日
本棚登録日 : 2011年11月17日

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