古事記講義 (文春文庫 み 32-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年3月9日発売)
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本棚登録 : 119
感想 : 13
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『古事記講義』
三浦佑之

 帯びには「シリーズ累計30万部のベストセラー」とある。シリーズとは『口語訳 古事記』である。語り部を通して『古事記』を口語訳、いや現代訳と言ってもよい新しい形で描いている。
 この本は『口語訳 古事記』と岩波文庫の『古事記』を底本として書かれているので是非持っておいて損がない書物なので傍らに置いて読みたい一冊。

 本体の語り部は、昔話の語り手がそうであるように、筋や内容を還ることはありませんが、語るたびに細部の表現はことなります。その場の雰囲気に合わせて自在に言葉をあやつることができなければ語り部とは言えないのです。(p13)

★これが口伝の特徴であり、文字との決定的な差である。それを『口語訳 古事記』は効果的に使っている。また本書の前提でもある。

 そのとき、なぜ自分たちはここに生きているのか、この世界はどのような場所か、人はなぜ生まれたのか、なぜ死んでゆくのかと問いたくなります。いつの時代も同じですが、人はそうした不安を納得し受け入れるために、生きる根拠が必要なのです。そして、それを保証するのが神話です。(p26)

★神話は数多にある。そのどれもが不安に起因した、起源探しということだろうか。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古事記
感想投稿日 : 2014年2月5日
読了日 : 2014年2月4日
本棚登録日 : 2014年1月31日

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