感情的になる前に知らないと恥ずかしい中国・韓国・北朝鮮Q&A

著者 :
  • 講談社 (2018年5月31日発売)
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感想 : 9
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正義のためにという綺麗事ではなく、国は自国のメリットのために動く。国際関係を読み解くための大切な視点を示される。確かに正義を実行するメリットがないと、コストを払ってやらないよなと納得。北朝鮮に長年核武装を放棄させないのも、現状維持がアメリカにも中国にも都合がよいってことなんですよね。あと書店にやたら中国崩壊を煽る書籍がたくさんあり違和感があったが、これも感情的な面が多分に出ており現実はどうか冷静な目線が必要。
尖閣諸島、靖国といった、対中関係の火種になっている問題の成り立ちがよくわかる。
尖閣諸島に対するアメリカの中途半端な態度の意図が、「領有権については中立」とする立場から来ているのはなるほどと感じた。だからオバマの「日本の施政下にて日米安保の適用対象」というのを得てに切りとった報道は鵜呑みにできない。
靖国についても、問題視はもともと日中国交正常化をした際の中国国内への説明と矛盾が生じるという中国国内の事情と、日本国内の反戦勢力が、中国に持ち込んだ結果だと理解した。きっかけは中曽根時代にあったものの最終的に今の状況を生み出したのは小泉時代に靖国内に遊就館ができ、「先の対戦は独立の戦争」と戦後の戦勝国史観の否定的な見解を堂々と公表したことにあるのだと理解した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年3月19日
読了日 : 2023年4月1日
本棚登録日 : 2023年3月19日

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