少年時代に猟奇的殺人歴のある悪妙高き弁護士、御子柴礼司。どんな罪状で起訴されようが、必ず執行猶予を勝ち取るかわりに、被告に多額の報酬を要求する。
そんな裏の顔を持つ御子柴が、報酬の少ない保険金殺人の国選弁護人を引き受け、無罪を証明するため追求していくリーガルサスペンス&ミステリー。
御子柴礼司シリーズ4作品が、我が家の本棚に鎮座すること約1年。私のブクログ同期である相棒が本シリーズ作を熱くレビューしていたこと、私のブク友さんも多く通読されていることもあり、いよいよ機は熟したと手に取った。
率直な感想から述べたい。
久々に読書に熱中した。
とても、とても楽しかった。
まず殺人歴のある弁護士という設定が面白い。
各登場人物たちのキャラは唯一無二であり、悪も正義も愛おしい。
兎角、罪を犯した人に救いはあるのか、という贖罪がテーマであるところが奥深い。
ストーリー、キャラ、テーマ全てにおいて際立っていた作品であった。
読み進めていくうちに古き記憶が蘇る。
そうだ。私は前読の『連続殺人鬼カエル男ふたたび』で、既に主人公・御子柴礼司や、刑事の古手川と渡瀬に接触していたのだ。
作品を跨ぎ、繋がり、興奮する。
こんな楽しみ方もできるなんて、嬉しみが過ぎる。
そして何より中山七里節。
冒頭いきなりの死体遺棄から始まり、御子柴の医療少年院の回想、事件と裁判、放つ潔い論理展開、終盤畳み掛ける心地良いテンポから二転三転した挙句、安定のどんでん返し。
恐れ入った。申し分ない読了感であった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年11月27日
- 読了日 : 2021年11月27日
- 本棚登録日 : 2021年11月27日
みんなの感想をみる
コメント 10件
yyさんのコメント
2021/11/27
NORAxxさんのコメント
2021/11/27
akodamさんのコメント
2021/11/27
akodamさんのコメント
2021/11/27
nikuさんのコメント
2021/11/27
akodamさんのコメント
2021/11/27
のあ♪さんのコメント
2021/12/30
akodamさんのコメント
2021/12/30
M.Kさんのコメント
2022/01/23
akodamさんのコメント
2022/01/23