いっぴきの虫 (文春文庫 た 37-11)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年10月7日発売)
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感想 : 6
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「高峰秀子」の対談&エッセイ集『いっぴきの虫』を読みました。
「高峰秀子」の作品は3年半振りなので久し振りですね。

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「高峰秀子」の傑作人物論

「有吉佐和子」、「松下幸之助」、「東山魁夷」、「杉村春子」、「木村伊兵衛」、「藤山寛美」、「川口松太郎」、「梅原龍三郎」―ひと筋の道を極めた各界の一流人との対話を軸に綴った傑作エッセイ集。
二十余人の人物から不変の真理と人間味あふれる肉声を引き出した、著者の取材ぶりは圧巻。
『人間への理解力―亡き母・高峰秀子に捧ぐ』(「斎藤明美」)を収録。
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総合月刊誌『潮』に1970年(昭和45年)から1972年(昭和47年)に連載された「高峰秀子」と著名人との対談を中心に据えて、エッセイ風の文章を織り込んだ構成の作品… 端正で歯切れのよい語り口での対談と、柔らかでユーモア溢れているエッセイの組み合わせなので、愉しく読めましたね。

 ■東海林太郎
 ■趙丹
 ■有吉佐和子
 ■東山魁夷
 ■松下幸之助
 ■円地文子
 ■森繁久彌
 ■浜田庄司
 ■川口松太郎
 ■杉村春子
 ■林武
 ■團伊玖磨
 ■谷崎松子
 ■木村伊兵衛
 ■市川崑
 ■菊田一夫
 ■沢田美喜
 ■『二十四の瞳』の子役たち
 ■藤山寛美
 ■梅原龍三郎
 ■松山善三
 ■人間への理解力―亡き母・高峰秀子に捧ぐ 斉藤明美

印象に残ったのは、「杉村春子」、「木村伊兵衛」、「市川崑」、「藤山寛美」、「松山善三」かなー それぞれの人物の魅力をうまーく引き出している印象ですね、、、

少し距離を置いているかと思えば、懐に飛び込んだり… と、対談相手との絶妙の距離感等、コミュニケーション能力の高さは天性のものかもしれませんね。

そして、さりげない会話の中でキラリと光る、研ぎ澄まされた刃のような鋭い人間観察眼と人物批評が印象的… 一流の人々であっても、その内面を独特の観察眼でさらけ出しているんですよね、、、

それを巧く文章として残す能力の高さを改めて感じました… さすがですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>エッセイ/コラム/旅行記/私小説
感想投稿日 : 2024年1月4日
読了日 : 2021年8月30日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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