プロジェクトX リーダーたちの言葉 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年3月12日発売)
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「今井彰」がプロデュースしたNHKの人気番組『プロジェクトX ~挑戦者たち~』から18話を厳選して収録した『プロジェクトX リーダーたちの言葉』を読みました。

フィクションではない、真実の物語は心を打つものがありますね。

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本書はNHKの人気番組『プロジェクトX ~挑戦者たち~』に登場したリーダーの言葉を厳選して収録したものである。
友の死を乗り越えて青函トンネル貫通に導いたトンネルマン、奇跡の心臓手術に挑んだ天才外科医など、多方面で活躍した計18人のリーダーを紹介している。
中高年の涙を誘ってやまない番組と同様、活字を通じても新たな感動を呼ぶ。
苦悩を隠し、純粋なまでにプロジェクトに打ち込むリーダーの生きざまに日本人の失ったものを見るがごとし。

思いはかなう――。
同番組が貫き通してきたテーマだ。
その手放しの純粋さに鼻白む向きもあるだろうが、こうした市井の人々の努力の上にこれまでの日本の繁栄があることを知る意味でも、一読の価値はありそうだ。
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本書に収録されているのは、以下の18話です。

 ■友の死を超えて(青函トンネル・総号令 大谷豊二)
 ■世界を驚かせた一台の車(ホンダCVCC開発リーダー 久保是志)
 ■巨大台風から日本を守れ(富士山レーダーの若き現場監督 伊藤庄助)
 ■男たち不屈のドラマ瀬戸大橋(瀬戸大橋・坂出工事事務所 杉田秀夫)
 ■奇跡の心臓手術に挑む(心臓外科医 須磨久善)
 ■ツッパリ生徒と泣き虫先生(伏見工業高校ラグビー部・総監督 山口良治)
 ■町工場世界へ翔ぶ(ソニー・ヨーロッパ支配人 小松万豊)
 ■厳冬黒四ダムに挑む(黒四ダム・総監督 中村精)
 ■ロータリー47士の闘い(ロータリーエンジン研究部部長 山本健一)
 ■全島一万人史上最大の脱出作戦(大島町役場助役 秋田壽)
 ■極寒・南極越冬隊の奇跡(南極越冬隊体長 西掘榮三郎)
 ■翼はよみがえった(YS-11開発リーダー 土井武夫)
 ■えりも岬に春を呼べ(襟裳岬・昆布漁師 飯田恒雄)
 ■幻の金堂・ゼロからの挑戦(薬師寺金堂・棟梁 西岡常一)
 ■窓際族が世界規格を作った(ミスターVHS 高野鎭雄)
 ■炎上 男たちは飛び込んだ(特別救助隊隊長 高野甲子雄)
 ■女子ソフト銀知られざる日々(シドニー五輪女子ソフトボール監督 宇津木妙子)
 ■東京タワー・恋人たちの戦い(東京タワー・鳶職 桐生五郎)


魅力あるリーダーって、明確なビジョンを持ち、自らが現場へ出向き、自らが率先垂範して見本を示し、プロジェクトの責任を負い、、、

そして、部下が憧れるほどの情熱を持っているんですねぇ。

しかも、部下の育成や使い方も巧い… いやぁ、こんな上司に出会ってみたいし、自分もそうなりたいもんですね。

理想は「杉田秀夫」のように、「男が惚れる男」ですかねぇ。
(「宇津木妙子」の場合は、「女が惚れる女」ですが… )


イチバン泣けたのは、やっぱり『ツッパリ生徒と泣き虫先生』です。
(ファミレスで読んだのですが、涙を隠すのが大変でした… 混んでない時間帯で良かった)

読んでいると『スクールウォーズ』の場面が浮かんできました。
やっぱりラグビーってイイですねぇ。


心に残った言葉を、備忘のために記しておきます。


「伊藤庄助」

「男は一生に一度でいいから、子孫に自慢できるような仕事をすべきである」



「山本健一」

「部下がついてくるかどうかは、リーダーが苦しんだ量に比例する」

「創造的に仕事をしなさい。挑戦的に仕事をしなさい。そしてネバー・ギブ・アップ」



「西掘榮三郎」

「とにかく、やってみなはれ。やる前から諦める奴は、一番つまらん人間だ」

「人材を育てる方法は、ただ一つ。仕事をさせ、成功させることである。成功経験が人を育てる。さらに大きな仕事をさせる。人と仕事の美しい循環を成立させることである」

「チームワークの要件は、目的に対する共感。誇りと恥の意識である。過度の功名心・功名の独り占め意識は、チームワークの大敵である。抜け駆けの功名では、困難な仕事は達成できない」

「同じ性格の人たちが一致団結しても、せいぜいその力は『和』の形でしか増さない。だが、異なる性格の人たちが団結した場合には、それは『積』の形でその力が大きくなるはずだ」

「チャンスは逃すな。まず決断せよ。石橋を叩くのは、それからである。」

「個性は、変えられない。能力は、変えられる」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ルポルタージュ/ノンフィクション/対談
感想投稿日 : 2022年5月11日
読了日 : 2012年5月11日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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