奈落のエレベーター (幻冬舎文庫 き 21-4)

著者 :
  • 幻冬舎 (2009年8月1日発売)
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感想 : 122
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「木下半太」のデビュー作『悪夢のエレベーター』のその後を描いた『奈落のエレベーター』を読みました。

『悪夢のドライブ』に続き「木下半太」作品です。

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やっと抜け出した悪夢のマンションに再び引き戻された「三郎」。
彼の前に、殺意に満ちた少女「カオル」が立ちはだかる。
一方、事情を知らずに車で待つ「マッキー」の元に、男の影が…。
薬で眠らされた「マッキー」が目を覚ますと、大切な仲間が惨い姿で転がっていた。
自分たちは最初からハメられていた?
『悪夢のエレベーター』のその後。
怒涛&衝撃のラスト。
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『悪夢のエレベーター』の背筋がゾクッ… とするような、恐怖感のあるエンディング、、、

これで終わったんだぁ… と思っていたら、続きがあったんですね。

本作は、『悪夢のエレベーター』のエンディング直後… 事件のあったマンションから「三郎」と「マッキー」が立ち去ろうとする場面から始まります、、、

共犯者(主犯?)の「カオル」がいないことに気付いた「三郎」は、再び(悪夢の)エレベーターに乗ることに… そして、それが奈落の苦しみのスタートに。

「三郎」、「マッキー」、「カオル」の三人の視点から描かれていますが、場面がテンポ良く切り替わり、怒涛の勢いでエンディングまで一気に読ませる面白さは、相変わらずでしたね。

新オカマキャラ「ジェニファー」の活躍が小気味良さを加えているし、

新たに登場する悪役の≪業者≫が憎らしい役割を与えられて主人公たちを応戦したくなるし、

「三郎」、「マッキー」、「ジェニファー」の信頼関係に共感できるし、

「カオル」の暴走は怖いなぁ… と思いつつ、どんどん先が読みたくなるし、

とうことで、愉しく読めました。

映像では観たくない残虐なシーンがあったり、何人もの死人が出ますが、小説の中ではコメディタッチでカバーされていて、気持ち悪さを感じませんね… 本シリーズは、ホントに出来の良い作品だと思います。

文芸色はないですが、エンターテイメントとしては一流ですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(国内)
感想投稿日 : 2022年6月13日
読了日 : 2013年11月7日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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