アメリカの作家「アイザック・アシモフ」の連作ミステリー作品『黒後家蜘蛛の会3(原題:the Black Widowers 3)』を読みました。
「アイザック・アシモフ」作品は昨年9月に読んだ『われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集』以来、、、
「黒後家蜘蛛の会(ブラックウィドワーズ)」シリーズは、4年前に読んだ『黒後家蜘蛛の会 1』以来なので久しぶりですね。
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快調の〈黒後家蜘蛛の会〉第三弾には、『ロレーヌの十字架』『家庭人』『スポーツ欄』『史上第二位』『欠けているもの』『その翌日』『見当違い』『よくよく見れば」「かえりみすれば』『犯行時刻』『ミドル・ネーム』『不毛なる者へ』の書き下しを含む全十二編を収録。
給仕「ヘンリー」と「ブラック・ウィドワーズ」の面々の面目躍如たる活躍の数々。
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ニューヨークのミラノ・レストランで月1回行われる「黒後家蜘蛛の会(ブラックウィドワーズ)」という名の例会、、、
化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家のメンバーのうちの一人がホストを務め、ホスト役のメンバーが呼んだ一名のゲストが参加して、食事をしながら四方山話をする… その話の中でゲストが提示する謎について、メンバーがそれぞれの専門知識を駆使して解こうとするが、初老の給仕「ヘンリー」が、いつも真相を言い当てるという展開の連作ミステリーの第3弾で、以下の12篇が収録されています。
■まえがき
■1.ロレーヌの十字架(原題:The Cross of Lorraine)
■2.家庭人(原題:The Family Man)
■3.スポーツ欄 (原題:The Sports page)
■4.史上第二位(原題:Second Best)
■5.欠けているもの(原題:The Missing Item)
■6.その翌日 (原題:The Next Day)
■7.見当違い(原題:Irrelevance!)
■8.よくよく見れば(原題:None So Blind)
■9.かえりみすれば (原題:The Backward Look)
■10.犯行時刻 (原題:What Time Is Is?)
■11.ミドル・ネーム(原題:Middle Name)
■12.不毛なる者へ(原題:To the Barest)
■訳者あとがき 池央耿
どの作品も愉しめるのですが… トリックが面白かったのは、二人の人物が証言する目撃時刻証言の食い違い(デジタル時計の"5:50")の謎を解く『犯行時刻』かな、、、
理系な方なら、クリスマスとハロウィンが正確に一致するという謎を解く『家庭人』も面白いかも… SF好きな方なら、新興宗教の矛盾を突くために火星にまつわる蘊蓄を語る『欠けているもの』や、素晴らしい日蝕写真を撮るために月にまで行こうと空想する『かえりみすれば』がオススメですね。
本作は5巻までシリーズ化されているみたいですねぇ… 機会があったら、他の作品も読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「ジェフリー・アヴァロン (Geoffrey Avalon)」
特許弁護士。
身長74インチ(約188センチメートル)の長身。
「トーマス・トランブル (Thomas Trumbull)」
暗号専門家。
政府の情報機関に勤務している。
食前酒の時間に遅刻するのが常習で、その際に大げさな言い回しでヘンリーにスコッチのソーダ割りを注文する。
「イマニュエル・ルービン (Emmanuel Rubin) 」
作家。
マンハッタン在住。
アイザック・アシモフから友人と呼ばれていると自称し、アシモフのエピソードを語ることもある。
「ジェイムズ・ドレイク (James Drake)」
最古参のメンバー。
「マリオ・ゴンザロ (Mario Gonzalo) 」
画家。
ゲストの似顔絵を描く。
「ロジャー・ホルステッド (Roger Halsted)」
数学教師。
5行戯詩に凝っており、古代ギリシア詩作『イリアス』の各エピソードを5行戯詩に再構成していたこともある。
その際には、韻脚を踏んだ言い回しが、他のメンバーにも伝染した。
「ヘンリー (Henry)」
ミラノ・レストランの給仕。
- 感想投稿日 : 2023年1月20日
- 読了日 : 2018年7月18日
- 本棚登録日 : 2022年3月11日
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