僕とおじいちゃんと魔法の塔(4) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年5月25日発売)
3.84
  • (98)
  • (128)
  • (107)
  • (16)
  • (5)
本棚登録 : 1301
感想 : 86
5

人間の残酷さがあらわれている1冊だった。
このシリーズのなかでは1巻に続いて好きな巻。
パンケーキの描写がおいしそうで食べたくなる。


学校で良い成績をとるためだけに必死で勉強してきた子供たち。
大人は遊んでばかりいないで勉強しなさいとよく言うけれど、勉強って机の上のものだけではない。学校の成績だけが勉強ではないということがエスペロスの言葉からよく分かる。

「君たちは、小さな頃から優秀で、親の期待も大きくて、学校の成績が優秀なことが、一番の自己表現だったんだね。だから、それしかしてこなかった。だから、世界が小さいんだよ」

「小さい世界は、すぐにいっぱいになっちゃう。だから、すぐ壊れちゃうんだ。君たちは、壊されてるんだよ。自覚ないと思うけど」

和人の話も好き。
お兄ちゃんが急に成長したら、置いてけぼりにされたように思えて焦る気持ちはよく分かる。
自分は自分らしくでよいという自分なりの答えを見つけることが出来てよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月13日
読了日 : 2022年10月13日
本棚登録日 : 2022年10月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする