本当は危ない国産食品 ―「食」が「病」を引き起こす― (新潮新書)

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  • 新潮社 (2020年12月17日発売)
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本来、自然界に冬のイチゴは存在しない。季節に逆らって加温しながら育てるから、植物にとってはストレス。病気にかかりやすくなるから、農薬をたくさん使う。

今の農薬の特徴は浸透性。内部に農薬が浸透している。

ビニールハウスの劣化した部分が落ちてきて作物が吸収する。

農薬の毒性があらわれるのは、10年先、20年先、半世紀も先。症状としてあらわれても、長い時間が経っているため、本当に農薬が原因かどうか調べようがない。

スーパーの都合で陳列棚に並べやすいサイズの野菜が作られるようになった。均質で傷がなく、きれいな野菜こそ高級品という価値観。

ネオニコチノイドは270度以上で分解されるため、焙煎が行われる麦茶やウーロン茶からはあまり検出されなかった。

露地栽培よりもハウス栽培の方がネオニコチノイドの検出率が高い。検出されなかったのは人参、蓮根、ブロッコリー、アスパラガス、スイカ

ネオニコチノイド
・水に溶けやすい→植物全体に浸透
・油に溶けやすい→細胞膜(脂質)を通り抜ける
・熱に強い
・血液中に分解する酵素がない
・洗っても落ちない

フィプロニル
・ペットのノミやダニの駆除剤に含まれる、ネオニコチノイド系農薬と同じ浸透性の殺虫剤。
・EUでは禁止され、市場から消えた。
・日本では農薬としてコメやキャベツに使われ、殺虫剤としてゴキブリ駆除剤
ペットの首筋に一滴たらすと、垂らした皮膚からフィプロニルが全身をめぐり、ノミやダニがその血を吸って死ぬ。

日本人は常に農薬を食べている

農薬や化学肥料をたっぷり使った、土壌から生まれた工業製品

かつて露地で栽培されるイチゴの旬は4月~6月だった。クリスマスに合わせて冬に旬をずらしたために、ビニールハウスでの栽培が行われるように。

ネオニコチノイド系農薬の毒性は強く、土壌中の残留時間が長いため、簡単に減農薬栽培が可能。減農薬栽培は安全とは言えない。

ネオニコチノイド系農薬は雨によって河川に流れ込む。ネオニコチノイドは分子量が小さいため、通常の浄水場で除去することはできない。それらが水道水に含まれる。

小麦は収穫直前にラウンドアップを撒いて枯らす。プレハーベスト。

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感想投稿日 : 2021年11月5日
読了日 : 2021年11月5日
本棚登録日 : 2021年4月11日

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