本書を読むと経済学という学問がいかに人間社会からかけ離れた社会科学であるかが良く分かる。そもそも経済学が大前提としている「経済人(エコノミックマン)」という考え方自体が現実とはあっていないのだ。人間は合理性があるかどうかだけを基準に物理的に動く原子のような物体では決してない。人間は社会あるいは人と人とのつながりの中で能動的に行動する社会的生物なのだ。間違った前提のもとでいかに議論を精密化させ数式のみを弄しても決して現実に合った解答は得られない。ノーベル賞から経済学賞は今すぐ廃止すべきだ。
しかし、著者の中野剛志氏は膨大な学術書を読みこなし我々に分かりやすい言葉で解説してくれる。なんと頭の良い人だろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
経済・社会
- 感想投稿日 : 2022年2月8日
- 読了日 : 2022年2月8日
- 本棚登録日 : 2022年1月8日
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