リアリティのダンス 無修正版 [DVD]

監督 : アレハンドロ・ホドロフスキー 
出演 : ブロンティス・ホドロフスキー  パメラ・フローレス  イェレミアス・ハースコヴィッツ  クリストバル・ホドロフスキー  アダン・ホドロフスキー 
  • TCエンタテインメント
3.49
  • (7)
  • (16)
  • (13)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 110
感想 : 13
3

アレハンドロ・ホドロフスキー監督自身の少年時代のお話。

南米チリでの歴史的背景に翻弄される家族を主軸に
主に自身(主人公)の父親にフォーカスした様だ。
幼い頃は母親からの(愛の)執着を一身に受けた。
ブロンド長髪の鬘を被せられて、まるで少女のような
出で立ちだった為に、同級生から異質な扱いを受け
た。父は反対に男らしさを強要した。そんな父と母に
存分に可愛がられた?!頃、時代は共産主義から資本主義への転換期を迎える。父は表向きは共産主義者だが、秘密裏に資本主義者として同志らと共に反旗を翻すタイミングを狙っていた。

そんな父の命がけの政治活動は思わぬ所で失敗に終わる。その間、父とは生き別れ状態だった主人公。

母もそんな父を愛していた故、心配していた。
*母親のセリフは常にオペラみたいに歌っている。
本業はオペラ歌手だけに美味いです。

主人公を取り巻く人物が個性的であり、エピソードも
強烈です。その人物像の強烈さに引けを取らない非現実的な光景。大量の魚が海岸に流れ着き、、父はペスト患者のデモに救いの手を差し伸べたはいいが、もみくちゃにされて自身もペストに犯されたのだが母の放尿(聖水)で一命を取りとめたり。。軍事政権下の大統領暗殺を目論むも同志が仕留め損なったのを踏み台に大統領を救った人物として誤解されつつ、大統領の愛馬の世話人となって虎視眈々と暗殺を狙っていたのだが、ついには殺すことが出来ずに行き場を探し求めて放浪する。母親と主人公2人暮らしで夜が怖くて眠れない主人公に対して母親は黒い絵の具?を息子に塗りたくり、自身も全裸なって全身真っ黒になってかくれんぼするという親子のふれあい?(闇は怖くないわ〜♪)その他、息子を差別する酒場に母親が全裸で練り歩く、、(ユダヤ差別は許さない〜♪)
父はもうこの時点で正気を失い、何も失うものがない状態で自分を匿ってくれる人々と出会い少なからず良い方向に進むかと思うと匿って面倒をみてくれた人たちが死んでゆく、、。最後にナチスの捕虜となり激しい拷問を受けた。。その後ナチスが崩壊し新時代が開かれた時に民衆によって助け出される。

、、そんな激動の時代を生きた波乱万丈の父と無事に
母&息子(主人公)家族が再開し家族3人で旅立つのです。

時々、監督自身も出演され主人公(=自身)の行くべき道を諭すのだ。。
あの頃の自分が感じてきた何かと、父が不在中であった間の父の行動(ここは好きに描いた感が、、)が愛混じり家族の数奇な運命が鮮烈に描かれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月5日
読了日 : 2016年11月5日
本棚登録日 : 2016年11月5日

みんなの感想をみる

ツイートする