久坂部羊『虚栄 下』角川文庫。
がん治療の国家プロジェクトに便乗し、患者無視の覇権争いを繰り広げる医師たちの姿が滑稽であり、恐ろしくもある。まるで今の日本の政治家たちの身勝手な振る舞いを見るかのようだ。
主人公は間違いなく『がん』であり、がん治療を巡り、論文データの改竄や医療ミスなど、最近、見聞きしたことが散りばめられており、非常にリアリティを感じる作品だった。
ここ10年の間に叔父、父親、叔母、義理の父親、会社の同僚とがんに罹患する身内や知人が相継いだ。あながち、がんの凶暴化は創作ではないのかも知れない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2017年9月26日
- 読了日 : 2017年9月26日
- 本棚登録日 : 2017年9月23日
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