小松左京『日本沈没(上)』角川文庫。
何十年か前にノベルズ版で既読。言わずと知れた災害シミュレーション小説の大傑作。1973年の作品。高度経済成長期の浮かれる日本人に日本沈没という予想だにしない天変地異の可能性を提示したことはエポックメイキングなことだった。
伊豆諸島の小島が一夜にして海中に沈んだことを受け、深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は急遽現地調査にあたる。相次ぐ火山の噴火と頻発する地震。やがて、小野寺は地球物理学の権威・田所博士と共に日本海溝で起きている深刻な事態に気付く。
そして、ついに起きた第二次関東大震災は悲劇への序章に過ぎなかった……
描かれる描写は阪神淡路大震災や東日本大震災にも酷似し、日本沈没という天変地異のメカニズムも科学的に描かれており、小松左京のSF小説家としての凄さを再認識した。
本体価格600円
★★★★★
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2020年5月6日
- 読了日 : 2020年5月6日
- 本棚登録日 : 2020年5月5日
みんなの感想をみる