冷血(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2018年10月27日発売)
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本棚登録 : 580
感想 : 48
5

高村薫『冷血(上)』新潮文庫。

文庫化されたので再読。合田雄一郎シリーズ。冒頭から幸せな四人家族の日常と二人の男の出会いから二人の男が無計画、無軌道に悪の道にのめり込んで行く過程が交互に描かれる。そして、二人の男による冷血無比な最悪の事件がクリスマス・イヴに発覚する。

著者の狙いなのだろうか、まるでノンフィクションのような冷めた視点で極めて克明に事件の過程を描いているように感じた。それだけに読み手は現実に起こった事件であるかのような錯覚を覚えると共に、背筋に冷たい物を感じるような不気味さを覚えるのである。

上巻では事件の発生に至る過程、事件の発覚から容疑者の二人が確保される所までがじっくりと、まるで今の時勢を俯瞰するかのような視点で描かれる。

果たして……

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本
感想投稿日 : 2018年11月5日
読了日 : 2018年11月5日
本棚登録日 : 2018年11月4日

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