吉川英梨『十三階の女』双葉文庫。
警察庁公安秘密組織の女性刑事・黒江律子を主人公にした『十三階シリーズ』の第1弾。
吉川英梨がついに化けたなというのが最初の感想。これまではハードサスペンスを良い調子で展開していながら次第に男女の甘い色恋の描写が強くなり、ストーリーを台無しにするケースが多かったのに本作ではどうだろう……確かに律子と古池、白河、或いは水橋との男女の関係が描かれるのだが、これまでの作品とは違って主人公の律子が非情なまでに恋愛に対して冷たく、その本性は残酷なのだ。
組織のために自らの『女』をも武器にする黒江律子は北陸新幹線爆破テロで多くの犠牲者を出すという大失態により活動を制限される。やがて『十三階』に復帰した律子は北陸新幹線爆破テロを起こした『名もなき戦士団』を殲滅するために行動を起こす……
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2019年2月23日
- 読了日 : 2019年2月23日
- 本棚登録日 : 2019年2月22日
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