小林由香『罪人が祈るとき』双葉文庫。
陰惨ないじめによる自殺をテーマにしたミステリー。ちょっとストーリーをいじり過ぎて、無理矢理感動の結末で幕を閉じようとした感じ。それなりには面白いし、考えさせられる内容なのだが、もっと違う結末でも良かったのではなかろうか。
高校でいじめを受ける主人公は公園でペニーという名の不気味なピエロと出会う。ペニーは主人公をいじめる奴等の殺害を手伝うと言うが……
いじめの陰惨さ、いじめの被害者といじめを苦に自殺した被害者の遺族の悲しみを描きながら、本当の正義とは何かを読者に問い掛けているようだ。
昔に比べて、今のいじめはかなり陰湿だと聞く。今の学校は運動会で順位を付けないとか、体罰禁止だので子供たちは競争とか喧嘩や争いとか知らぬうちに育っているのではなかろうか。ゲームというバーチャルな世界に争いを求めるが故に手加減ということを知らずにリアルな世界でやり過ぎてもなかなか気付かぬから悲惨な事態を招いているのではなかろうか。
本体価格680円
★★★★
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2020年9月14日
- 読了日 : 2020年9月14日
- 本棚登録日 : 2020年9月14日
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