4作品の短編からなる作品。
やっぱり今村夏子さんの作品はもれなく面白かった。なんなんだいったい。表紙も可愛いすぎ。
とんこつQ&A
「とんこつ」という名前の中華料理店で働きだしたわたしと、その店主の大将と大将の息子、後に入ってくるバイトの『丘崎たま美』の4人からなる、とんこつでの日常を描く。誰がずれてる人なのか是非味わってみて下さい。そんなことある?どんだけ?(笑)ってツッコミどころ満載。
嘘の道
主にオオカミ少年ばりに「嘘つき」とみなされるようになった与田正と、同じクラスだった姉、弟の僕からなる昔の思い出。思い出なんて書いたら甘酸っぱそうだが、もちろんそんなはずもなくヒヤッとさせられる。
良夫婦
タムと呼ぶ小学生の少年と、タムが通う小学校から徒歩25分のところに住む土橋友加里とその夫からなるお話。良かれと思ってやったことがどんどん歪な形になって崩れていく。タムの自由奔放さに、図々しさに子供ってあるよね、こんなとこ。とあるあるを思いながら読んだ。良夫婦とのタイトルですが実際は…?
冷たい大根の煮物
主にプラスチック部品工場で働く木野と、同じ工場だが違う部署で働く芝山さんからなるお話。芝山さんは果たして良い人なのか、悪意ある人なのか。色んな捉え方で楽しめる物語。私は、木野を利用するだけ利用してポイ捨てした女と感じたけど(笑)ラストを読むとそうとばかりも言えない余韻があって、好きだった。
余談ですが、私の大好きな「こちらあみ子」が田舎すぎて(?)上映されてなくて悲しすぎる…
面白いですか?ですよね、きっと。観たいよー。
- 感想投稿日 : 2022年8月7日
- 読了日 : 2022年7月28日
- 本棚登録日 : 2022年7月16日
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