エリクソン五冊目。
登場人物たちの髪の色が、血が、土地が、歴史が、巨大なマーブル模様となってのたうちまわる。烈しく、狂おしい情念のブラックホールの深淵を、読者の膝が崩折れるまで見せつけてくる。。。これぞエリクソンという感じ。
訳者あとがきで柴田元幸さんも述べているように、プロットはかなり緻密。でもそれは世界の整合性を補強するためにあるのではない。小説のタガを外して、どこまでも遠くに歩いていけるように編まれている。
荒涼とした風が、物語の最後まで吹き続けている。
ウィーンの観覧車に乗るシーンが好きでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年9月7日
- 読了日 : 2019年9月6日
- 本棚登録日 : 2019年4月9日
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