黒い時計の旅 (白水Uブックス 150 海外小説の誘惑)

  • 白水社 (2005年8月1日発売)
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本棚登録 : 585
感想 : 49
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エリクソン五冊目。

登場人物たちの髪の色が、血が、土地が、歴史が、巨大なマーブル模様となってのたうちまわる。烈しく、狂おしい情念のブラックホールの深淵を、読者の膝が崩折れるまで見せつけてくる。。。これぞエリクソンという感じ。

訳者あとがきで柴田元幸さんも述べているように、プロットはかなり緻密。でもそれは世界の整合性を補強するためにあるのではない。小説のタガを外して、どこまでも遠くに歩いていけるように編まれている。

荒涼とした風が、物語の最後まで吹き続けている。
ウィーンの観覧車に乗るシーンが好きでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月7日
読了日 : 2019年9月6日
本棚登録日 : 2019年4月9日

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