新装版 Nobody Knows (花音コミックス)

著者 :
  • 芳文社 (2012年11月29日発売)
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本棚登録 : 548
感想 : 22
4

ボーイズラブはむり。

死んだじーさんの遺言なんですよ、いやほんとこればっかりには足を突っ込むなよと。深淵なるかな。ハーレクインとこれだけはだめだと。あれ?ジャニーズとヅカだったっけ?

‥まあそのええと、とにかく、この世界は帰って来れなくなる、ちみもーりょーの世界であると。
だから避けてました。やたらと切れ長の目のキラキラした悪っぽいイケメンと、胸の膨らみを凝視してチェックしないとジェンダーさえわからない、なよっとした小柄で華奢なおめめパチクリ萌え系ダンシ。ページ開くたびにからみまくりなんだろう、ああもお、いいです神様、おなかいっぱいー!

ただね、そんな自分だって、そういった描写をひゃくぱーとおらなかったわけじゃないんです。バナナフィッシュだったかパタリロだったか秋里和国だったかで(なんだ、かなり耐性あんじゃんニヤリ、ってしましたね?)、子供のできない男性同士のそれをスポーツとして楽しむうんぬん、と聞いて、ああそうなんだなんて思ったこともそう遠い記憶ではない。

何が違ったのかなー、ひいてはこの作品、なんでバカにせず読めたんだろ。かんがえてふと、こんな考えにたどり着いちゃいました。

いわゆるあたしの嫌ってりボーイズラブ系との大きな違いは、はじめにストーリーありきの点でした。ちゃんと男性同士であることに必然性があって、がゆえに悩むシーンもあって、つまり登場人物たちがそれぞれ、自らを異常なんじゃないか、って意識して行動してるんですね。だから内面にも踏み込むし、悩むし、葛藤もする。

だから面白かったんだーけたけたけた。
と、終わってもいいんだけど実は少し、続きもある。
ちょっと変な想像もしてしまった。

あたしが嫌がっていたのは実は、ノーマルではないことに葛藤しないボーイズラブの登場人物たちであり、つまりは、ヘテロを当然の正義とした金科玉条の世界を存在しないがごとく否定する、その表象する価値観だったりしないのだろうか、って。
だとしたら、構図は逆転して、あたしこそが軽蔑されるべき愚か者って可能性もある。
すなわち、そもそもがあたしの立ち位置が、ヘテロ至上主義の一元論である危険性ね。

なーんても言えるのだ。
ただあたしはね、あたしに甘いですからね、まあ、そう考えついているだけいい方だよ、完全無敵の一元論者じゃないって証明だよそのこと自体、っていっちゃうけどね。

そしてやっぱり、出会ったびびっときたやったやったやりまくった!
ってのはやっぱ、価値観うんぬんじゃない、あたしは嫌なんだ、そんな展開のないマンガ。そんだけ!

ってことで、反省3秒。
そしてこのマンガ、男性とかあたしみたいなふつーの人にも、オススメです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: うまい!一本とられたね。
感想投稿日 : 2013年11月27日
読了日 : 2013年11月27日
本棚登録日 : 2013年11月27日

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