死という概念が違った(死体は火葬するものではなく、一緒に暮らすもの)り、心がないから一人称が自分の名前だったりと考え込んでしまうような陰鬱とした描写に面白みを感じた。中でも「突然、意味もなく粗暴になり人を襲う。死体は埋葬せず身近に置いて腐敗にまかせている」は不気味だった。
島で起きた殺人(※正確には、島では殺人が殺人ではない。)は、島の因習から外れたひとを除外するための行為(娘を埋葬しようとしたから殺した。リーダがいない島でリーダーになろうとしたから殺した。いままでは大根を1本だけ盗んでいたが来客があったのでいつもより多い2本を盗んだから殺した。)が多かった。
心があるひとが犯した模倣の殺人(※島で起きた本当の殺人。)が暴かれるまでの台詞回し(心が心とされるまでの話。魔が指すことを自分の空のバケツと友達の釣果でいっぱいのバケツになぞられた譬え話。)が印象的だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2022年12月5日
- 読了日 : 2022年12月5日
- 本棚登録日 : 2022年12月5日
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