ブランコ乗りのサン=テグジュペリ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2015年12月23日発売)
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本棚登録 : 388
感想 : 35
4

紅玉いづきの描く女性像がよく出ている小説。
どんなにか弱くてもどんなに年若くても、どこかにしなやかな強さがある女性。今回の小説は「少女サーカス」をテーマに上げているが、少女から女性になる彼女らは変化と苦悩と、あの年頃特有の自信があって美しいのだと思い知らされる。「少女」に「美しい」はおかしく感じるが、紅玉いづきの文体で描かれる身体・精神状態のバランスが悪い彼女らは、「不自由」という言葉がぴったりだった。
読み終わる直前、冒頭から引っ張られている事柄に終止符が打たれるが、そのあんまりに歪で強い結末に、首の辺りから総毛立つように感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月11日
読了日 : 2023年2月9日
本棚登録日 : 2023年2月10日

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