紅玉いづきの描く女性像がよく出ている小説。
どんなにか弱くてもどんなに年若くても、どこかにしなやかな強さがある女性。今回の小説は「少女サーカス」をテーマに上げているが、少女から女性になる彼女らは変化と苦悩と、あの年頃特有の自信があって美しいのだと思い知らされる。「少女」に「美しい」はおかしく感じるが、紅玉いづきの文体で描かれる身体・精神状態のバランスが悪い彼女らは、「不自由」という言葉がぴったりだった。
読み終わる直前、冒頭から引っ張られている事柄に終止符が打たれるが、そのあんまりに歪で強い結末に、首の辺りから総毛立つように感じた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年2月11日
- 読了日 : 2023年2月9日
- 本棚登録日 : 2023年2月10日
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