苔の本に ”苔文学” として紹介されていたので、興味を持って読んでみた。登場人物たちは、まさに苔のような人ばかり。ちょっと失恋しただけ(?)で精神が分裂するくらいもろかったり、かと思えばコンクリートのすきまでも生きていけそうなしぶとさも持ち合わせていたり。物語全体にただよう独特の暗さ、湿り気もまさに苔のよう(作中では「蘚」と表記)。
人生が陰っているときしかたどり着けないような、小さなすきまの中、苔々しい世界が広がっている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月24日
- 読了日 : 2021年11月24日
- 本棚登録日 : 2021年11月24日
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