星を掬う (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社 (2021年10月18日発売)
4.11
  • (952)
  • (1115)
  • (446)
  • (76)
  • (20)
本棚登録 : 11863
感想 : 901
3

本屋大賞受賞後初の長編ということで、期待して読んだ。しっかりと響く作品だ。痛々しいが救いがある。

元夫からの暴力で心身ともにボロボロの千鶴は、かつて自分を捨てた母・聖子のもとに逃げる。しかし、母は52歳で若年性認知症を患っており、娘に捨てられた介護福祉士の彩子と、聖子を「母」と慕う美しい恵真と3人で暮らしていた。

千鶴、聖子、彩子、恵真4人の「普通」の母娘の関係が築けない者たちの共同生活を描く。

登場する男たちが圧倒的に醜い。町田そのこさんはは「クズ男って、書いていて楽しい(笑)」とインタビューでおっしゃっていたが、そうだろうなぁ。いきいきと描かれているもの(笑)
こんな男ども、早く死んでほしい、と憎悪が募り、メチャメチャ腹立たしい思いさせられました。

反面、母・聖子の認知症はこの小説の重要な要素(タイトルにも繋がる!)なのだけど、リアルさが少し足りない気がした。特に母の内面の描写は説得力がなく、感情移入を妨げた。少し残念。

そして、生クリームの代わりにマヨネーズを使ったバナナサンド!母娘の関係を再構築するきっかけとなるような料理(?)として登場するが、僕はマヨネーズが大嫌いなんで。「あまじょっぱい」って…ゲテモノすぎ。背筋がぞ〜っとした。そんなもの世の中に存在してはいけない。
この本の中で最も怖かったシーン。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月12日
読了日 : 2021年11月11日
本棚登録日 : 2021年11月10日

みんなの感想をみる

コメント 5件

naonaonao16gさんのコメント
2021/11/12

たけさん

クズ男に反応してコメントです!笑

マヨネーズお嫌いなんですね…

しょーもないコメントですみません。

たけさんのコメント
2021/11/12

naonaoさん、コメントありがとうございます!

登場する男は稀に見る超特大級のクズです。

市販のマヨネーズはダメですね〜。手作りはまだいけますが。どうして卵と酢と油が合わさるとあんなんになっちゃうんでしょう?単体ではむしろ好きなのに。不思議です。

naonaonao16gさんのコメント
2021/11/13

たけさん

こんにちは!
実は、町田そのこさん、まだ未読なんですよね。クズ男が気になりすぎて読みたくなってきました(笑)

わたしもマヨネーズあまり食べないので、いつもちょっと使って賞味期限切らしてます…
言われてみればブロッコリーくらいにしか使いません。嫌いではないんですけどね。

いやほんとにしょーもないコメントで失礼しましたm(_ _)m

たけさんのコメント
2021/11/13

町田そのこさんはnaonao さんの好みに会いそうな気します。「52ヘルツのクジラたち」とか「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」なんかは特に。
ただ、「星を掬う」に関しては、認知症の描き方がいまいち共感できないので、トータルとしておすすめとまではいきません。
ただ、クズ男の描き方は素晴らしいですが笑

うちもマヨは賞味期限守れない!とかみさんに怒られます。だったら、買わなきゃいいのにと思います。
ブロッコリーは…塩で食べましょうよ…

naonaonao16gさんのコメント
2021/11/14

こんばんは!

そうなんですよね、たぶん好みに合う作家さんです。
なかなか通勤中に大きな本を読むのが大変で、つい文庫待っちゃうんですよね…
町田そのこさんなら「52ヘルツの~」から読みたいのですが、文庫には時間がかかりそうです…
「夜空に~」は文庫化されていた気がするので、それから読んでみようかなぁ…
この作品はそれらに比べると…という感じなんですね。
クズ男の描写のみに期待!ですね(笑)

ブロッコリーはマヨネーズ一択です(笑)

ツイートする