帯のコピーに騙されて買った。
ー がん大国日本で、医者との付き合い方を考える病院小説!
全然違うじゃん…
でも、そんなことどうでもいいくらい地力がある小説だと思った。
と言っても、圧倒的な主張や展開があるわけではない。淡々と末期がんの妻を送りだすまでが綴られている。
妻との最期の生活を過ごしながら、「美しい距離」を獲得していく物語。
辛い時期だと、どうしても想像してしまうが
ー 死ぬための準備期間のあるがんという病気に、妻のおかげで明るいイメージを持てるようになった。
という。
なんだか、深くて大きくて、言葉を失う。
解説で豊﨑由美さんは言う。
ー いい小説が備えている美点のひとつに、読む前にはなかったものの見方を与えてくれるという効能がある。『美しい距離』はその見本のような素晴らしい小説だ。
全くそのとおりだと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年3月16日
- 読了日 : 2020年3月15日
- 本棚登録日 : 2020年3月13日
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