美しい距離 (文春文庫 や 51-2)

  • 文藝春秋 (2020年1月4日発売)
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本棚登録 : 993
感想 : 82
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帯のコピーに騙されて買った。

ー がん大国日本で、医者との付き合い方を考える病院小説!

全然違うじゃん…

でも、そんなことどうでもいいくらい地力がある小説だと思った。
と言っても、圧倒的な主張や展開があるわけではない。淡々と末期がんの妻を送りだすまでが綴られている。

妻との最期の生活を過ごしながら、「美しい距離」を獲得していく物語。
辛い時期だと、どうしても想像してしまうが

ー 死ぬための準備期間のあるがんという病気に、妻のおかげで明るいイメージを持てるようになった。

という。
なんだか、深くて大きくて、言葉を失う。

解説で豊﨑由美さんは言う。

ー いい小説が備えている美点のひとつに、読む前にはなかったものの見方を与えてくれるという効能がある。『美しい距離』はその見本のような素晴らしい小説だ。

全くそのとおりだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年3月16日
読了日 : 2020年3月15日
本棚登録日 : 2020年3月13日

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