告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

著者 :
  • 双葉社 (2010年4月8日発売)
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感想 : 5373
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これは、すごいなぁ...

読後の感想を一言で言うと、「虚無」だ。
何も残っていない。
いや、後味の悪さは残っている。でも、その感覚に質感がないというか、のっぺりしていて、何が嫌なのか、何が不快なのか、わからない。
上手く表現出来ないのだけど、自分が人間でなくなってしまう感じ、というか、世界がガラガラ崩れるというか..、どういう感情を抱いていいのかわからない、というか。

こんな読後感って、なかなか味わえない。

序盤から圧倒的な文章力でぐいぐい読ませる。
いつの間にか小説の世界観にどっぷり嵌る。

でも、4章あたりから嫌な予感がしてくる。
もしかして、この小説、最後まで読んでも、どこにも連れて行ってくれないんじゃないか?出口がないんじゃないか?空虚な世界を永遠にループするようになっちゃうんじゃないかって。

それでも、きっと、大どんでん返しが待っている、このぐるぐる感はオチのための必然なんだろう、と期待して読み続ける。

しかし…

やっぱり、僕はどこにもたどり着けなかった。
何とか、
かろうじて出口はあったけど

…念のため、言っておくと、この小説をディスっている訳ではじゃないです。
自分の表現できない読後感を持て余しているだけで。


2009年本屋大賞受賞作

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月20日
読了日 : 2020年6月20日
本棚登録日 : 2020年6月20日

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