これは、すごいなぁ...
読後の感想を一言で言うと、「虚無」だ。
何も残っていない。
いや、後味の悪さは残っている。でも、その感覚に質感がないというか、のっぺりしていて、何が嫌なのか、何が不快なのか、わからない。
上手く表現出来ないのだけど、自分が人間でなくなってしまう感じ、というか、世界がガラガラ崩れるというか..、どういう感情を抱いていいのかわからない、というか。
こんな読後感って、なかなか味わえない。
序盤から圧倒的な文章力でぐいぐい読ませる。
いつの間にか小説の世界観にどっぷり嵌る。
でも、4章あたりから嫌な予感がしてくる。
もしかして、この小説、最後まで読んでも、どこにも連れて行ってくれないんじゃないか?出口がないんじゃないか?空虚な世界を永遠にループするようになっちゃうんじゃないかって。
それでも、きっと、大どんでん返しが待っている、このぐるぐる感はオチのための必然なんだろう、と期待して読み続ける。
しかし…
やっぱり、僕はどこにもたどり着けなかった。
何とか、
かろうじて出口はあったけど
…念のため、言っておくと、この小説をディスっている訳ではじゃないです。
自分の表現できない読後感を持て余しているだけで。
2009年本屋大賞受賞作
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年6月20日
- 読了日 : 2020年6月20日
- 本棚登録日 : 2020年6月20日
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