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「バカ」について、23人の識者が論じた書。

・どうして世の中にはバカがたくさんいるのか。
①人間にはネガティビティ・バイアスがあるため。
②人間は根本的な帰属の誤り(=他人の行動を判断するのにその人の気質や性格を重視しすぎること)に陥りやすいから。(セルジュ・シコッティ)

・知性にはアルゴリズム的知性と合理的知性がある。
アルゴリズム的知性があっても、合理的知性を持ち合わせず「バカ」をする例は多い。
・バカとクリエイティビティは1枚のコインの裏表のようなもの。敷かれたレールから外れることが共通している。(イヴ=アレクサンドル・タルマン)

・「バカ」とは、ルネ・ ザゾの調査によれば「感情面での事前にかけ、自己中心的な態度で他人の気分を踏みにじり、自分自身について大きな勘違いをしている人物人物」と言える。(ジャン・コトロー)←そうだよね!そういう人!ホントうんざりする。

・SNSの①生活のスペクタクル化、②なんでも裁きたがる傾向、③有名になりたいと言う欲求、という3つの特徴は〈悪意の先験的条件〉であるのと同様に、〈バカの先験的条件〉と言えるかもしれない。(フランソワ・ジョスト)

・多くの大人、特にバカは、自分のことしか考えない。でも子どもはそうではない。むしろ子どもの真似をすることがバカの良い治療になるのではないか。(アリソン・ゴプニック)

・私たちは夢の中で「社会性のないバカ」や「失敗ばかりするバカ」、「騙されやすいバカ」になる。
・夢の中で拍子もないことが起きるのは、脳の一部が損傷することで起きる脳神経機能障害の症状と酷似している。
・トーレ・ニールセンは、夢の役割の1つとして不安やトラウマを引き起こすネガティブな記憶の断片を、ニュートラルな状況と組み合わせながら再現することで、その記憶の持つイメージを和らげることを挙げている。記憶の中のネガティブな感情を分析し、取り除いて重要な情報だけを保管する作業をしている。(デルフィーヌ・ウディエット)

などなど、とても面白い。

なによりも「バカ」と言う単語がめちゃくちゃたくさん出てくることに笑ってしまう。

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感想投稿日 : 2020年12月16日
読了日 : 2020年12月16日
本棚登録日 : 2020年11月29日

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