亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 1-4)

著者 :
  • 東京創元社 (1994年8月12日発売)
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本棚登録 : 1171
感想 : 138
5

美青年なのだがどこか抜けている亜。彼が解決する事件も、一見事件に見えなかったり、事件が起こる前に解決してしまったり、やはりどこか変わっている。
全編ともかなりレベルが高く、国産短編集の中でもトップクラスではないだろうか。
個人的ベストは『DL2号機事件』『G線上の鼬』、次いで『黒い霧』。

『DL2号機事件』
数々の奇妙な謎が、たった一つの考え方によって一つに繋がれる。
そしてそれを補強する伏線は質も数も凄まじく、前半はもはや伏線の塊。

『G線上の鼬』
これも同じく、伏線の塊。この発想を雪密室として使うのも巧い。

『黒い霧』
カーボンを町に撒く、という謎も魅力的だし、その真相も素晴らしい。序盤で犯人を提示しているところも憎い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年1月23日
読了日 : 2022年1月22日
本棚登録日 : 2022年1月22日

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