独り者である私としては40年も共にいたご夫婦の情愛など、本当のところは分かるわけはないと思うのだけれど、それでも、泣いてしまいました。
夫の永田さんが河野さんの歌集を読んで「お前はこんなに淋しかったのか」と河野さんに伝えた、というエピソードが印象的で、仲がよく、お互いに何でも話す、言語化能力に長けた二人でも、分かり合えてないところがある、ということに、人と人との関係って、どこまでも淋しいものだな、と思いました。
淋しさって人間の芯にあるものですよね。
芯にある淋しさを分かち合うことはできないのですね。
それでも、二人でいることを選ぶことに尊さを感じます。
<手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が>
河野裕子さん最後の一首
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
短歌
- 感想投稿日 : 2023年2月28日
- 読了日 : 2023年2月28日
- 本棚登録日 : 2023年2月28日
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