言葉って呪いだと思います。
悪意のある、または悪意のない(つもりの)言葉が人を傷つけ、自分を縛る。
この本の著者の田房さんは自分が不健康に太っているという自覚があり、それではダメだという強い思いももっている。
が、食べてしまう。異常に。運動もしない。
人前に出るのも苦しく、笑いを誘わせようとするデブネタも恐怖だ。
過食症や強迫症、死を思うことでしか心を落ち着かせられない時もあった。
それではいけないといろんな試行錯誤をした記録が本エッセイ。
私だったら「だまされるんじゃないか」と思って手を出さないと思う前世セラピー、自己啓発CDや河合隼雄さんで有名な箱庭療法、ゲシュタルトセラピーなど様々なことを体験し、かけられた/自らにかけた呪詛=トラウマと向き合っていく。
鍵となるのは前々作、『母がしんどい』のおかあさん、ばかりではなく...。
いや、人ってささいにみえる言動でも気にやんでずうっと引きずっちゃったりするのである。
まわりも、本人ですら「たいしたことない」と思い込んでいた事が後々の人生を左右する。
怖いですよね。
他人の発言に一見親切のようでも悪意がこもっていたり、親から子へも密着している分悪い影響もあたえるかもしれない。
...この世は呪いで満ちている(笑)
逆にいい呪詛というのもある。
自信に満ちた人はいい呪詛を自分でもかけて、悪い呪詛を早め早めに自分でなんとか抜いているのだろう、とは田房さんの弁。
いわゆる自己肯定感が低い人、必読。
オカルトものでも単純なダイエットものでもないので注意。
- 感想投稿日 : 2018年8月21日
- 読了日 : 2018年8月20日
- 本棚登録日 : 2018年8月20日
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