道徳教室: いい人じゃなきゃダメですか

著者 :
  • ポプラ社 (2022年3月16日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 33

面白かった〜!

道徳の授業、皆さん好きでしたか?
私は好きでした。
なぜ、好きなのかというと、「答えが手に取るように分かるから」。
「こんなの、全然わからない」という同級生を、内心馬鹿にしていました。
はい、全然「道徳」的、じゃありませんね。
その後、いろいろあって、「道徳なんて、嫌い」になったのですが。

何年か前に、道徳の授業を教科化したと聞き、複雑な思いを抱いていたので、こちらの本を読むのを楽しみにしていました。

著書の高橋秀美さんは、ノンシャランとしているようで、博識で目の付け所が鋭くてドキッとしました。あと、皮肉屋。

明治時代に道徳界の偉人と呼ばれた西村茂樹さんの言葉、「道徳の一事に至りては、我國は世界中一種特別の國となれり」を、高橋さん曰く「ヘンな国のヘンな教科」と言い換え、様々な場所に赴いて、道徳について考察をしていきます。

道徳×いまどきの小学生
道徳×管元総理の言葉
道徳×ハラスメント
道徳×シェアビジネス
道徳×ロボット
道徳×VR
道徳×スマホ
道徳×『花束みたいな恋をした』
道徳×官能
道徳×地球温暖化
道徳×NHK

なるほど、と思う組み合わせもあるが、意外な組み合わせもありますね。

私たちは道徳に縛られてもいるし守られてもいるのだなあ、と、思いました。

大人も、「道徳」とどう向き合っていくか、考える一助になってくれる書です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年5月6日
読了日 : 2022年5月6日
本棚登録日 : 2022年4月17日

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コメント 4件

bmakiさんのコメント
2022/05/07

5552さん

こんにちは(^^)
道徳好きでした。
国語は好きな時と好きでない時がありましたが、道徳は好きだったなぁと思い、何故好きだったのか少し考えてみました。

私は小説、物語が好きだから、道徳の方が物語要素が多くて好きだったのかもしれません。

イソップ物語のようなお話が特に好みでした。

この感想を読んでいて、
5552さんの、
「答えが手に取るように分かるから」
と、
「道徳なんて、嫌い」
の物語が読みたくなりました(*^^*)
どんな物語があったんだろう?と興味がわきました(*^^*)

5552さんのコメント
2022/05/08

bmakiさん、こんにちは!

コメントありがとうございます。嬉しいです♪

bmakiさんも、道徳がお好きだったのですね。
道徳って、国語の文章問題~この文章から作者が言いたいことを答えなさい、みたいな~に、似ていますよね。
なので、国語の文章問題が好きな小説好きの子は、文章から文脈を読んで、「道徳的に」正しい答えを導き出すのが得意になり、結果、道徳好きと国語好きが一部被ることになるのでは?と、大人になってから思いました。

5552が道徳を嫌いになるまで物語、は、たいした物語じゃないんですよ〜。
ある時、「現実と道徳の物語は違う」と突きつけられて、道徳を信頼していた私は、反動で嫌いになってしまったんです。
「道徳なんて、役に立たない!」と、強く思ったのを覚えています。
それから、「道徳」と聞くと、胸の中に複雑な思いが…笑
それでこちらの本を手に取ったんですよ。








bmakiさんのコメント
2022/05/08

5552さん

ご返信ありがとうございます(*^^*)

なるほど。確かに道徳では、道徳的な答えが絶対的に正しいですもんね。。。
現実世界では、それが本当に絶対的に正しいかと言われたら、、、、

5552さんの物語、お話しして頂きありがとうございます(*^^*)


一度、私の会社で、他所の会社から来た、上しか見ない暴力的でパワハラが当たり前の人が社長に就任したことがあったんです。

飲み会では部下を殴るのは当たり前。
俺がカラスは白いって言ったら、カラスは白いんだよ!!!と部下に強要する人だったんです。机は蹴るわ、持っているものは投げるわ、大声で罵るわ。。。絵に描いたような、、、(-。-;

その時に、あー、この人には道徳的な要素が足りないなぁって思いました。
イソップ物語を読み聞かせてあげたいなぁって思いました(笑)

道徳はあんまり役に立たないのかもしれませんが、ある程度の道徳は人間には必要なのかなぁ?と思った瞬間でした(^^;;

その社長は、あっという間に馘になりました。
どういう力が働いたのかは謎ですが??

5552さんのコメント
2022/05/08

bmakiさん

うわ、ほんとにいるんですね。
そんなマンガみたいな横暴社長って。

私は上司運が良いのか、そんなパワハラ上司に当たったこと無くて、驚いています。
むしろ、私の方が絵に書いたようなダメ社員だったような……。

確かに、その方にはイソップ物語を噛んで含むように教えてあげたいですね。
あと、アンガーマネジメントも!
その社長の怒りの源は一体何だったんでしょうね。
今読んでいる『怒りがスーッと消える本』という本に、“怒っている人は困っている人”“(怒っているのは)攻撃ではなく悲鳴”と、書いてあるのを読んで、そうなのかな、と。
でも、その社長の結末自体がイソップ物語みたいですね。

「わるいおうさまはいつのまにかいなくなりましたとさ」

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