本を読めなくなった人のための読書論

著者 :
  • 亜紀書房 (2019年9月20日発売)
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本棚登録 : 1748
感想 : 125
4

本が読めない。特に小説がーーー。

数年前から徐々に徐々に私の中で小説離れが起こっている。
興味を持って読みはじめるが、数ページで断念した本たちがだんだんと積み上がる度、罪悪感を覚えていた。
読みたい、という欲望はあるものの、読めない自分に自信をなくしてゆく日々。
自信をなくす、というよりも残念、といったほうがいいかもしれない。
思い出すのは子供のころの、青春時代の、小説との蜜月。
あの頃に戻りたいーーー。
と思っていたところで、この本のレビューを見かけた。
無性に読みたくなり、再読を決行。

結果、安堵した。

読みたいのに読めないのは自分だけじゃない事。
読めなくても良いこと。
無理に読む必要はなく、読めるときがくるのを「待つ」こと。

再度いろいろ教えてもらった。
というか、骨身に染み込んでいて、自分で考えついたと思ったことも、この本に書いてあった。恥ずかしい。(よくあるのだ)

若松さんの文章は、私が人生経験不足だからなのか、時折よく理解できないところもあったが、読んでいると落ち着く。

「本が読めなくなった」人たちに優しく寄り添う本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本についての本
感想投稿日 : 2021年1月29日
読了日 : 2019年11月19日
本棚登録日 : 2019年11月7日

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コメント 2件

GMNTさんのコメント
2021/01/29

5552さん、おはようございます。
私も読めない時期が長くあって、理由のひとつとして「フォントのデザインが気になりすぎてしまう」というのがあります。エンデの文庫版『モモ』を今読んでますが、フォントが気に食わなくてなかなか進まず……。気になりすぎて、以前新潮社さんに「なんで文庫のフォントがバラバラなんだよ!」と電話したぐらいです(こんなきつい口調では言ってないけど笑)。
5552さんは買って読む派ですか?私も以前は買ってましたが、積読本が増えてプレッシャーになるのが嫌で、今は図書館で借りています。私の読みたい本なんぞはほとんど置いてありますし。どうしても欲しい本だけは買いますけど。借りるようにしてからの方が、本を読めるようになりました。
最後に、立川談志師匠のお言葉。
「学問とは?」「貧乏人の暇つぶし!」

5552さんのコメント
2021/01/29

GMNTさん、こんばんは。
私はフォントのデザインは気にしたことなかったですね。
ただ、文字がちっちゃくて細いと読みにくい!って思うようになりました。歳ですね。
昨日パラ読した山崎まどかさんの本に「今までカレンダーのフォントで気に入るものがなかったけど、新潮社さんでもらったカレンダーは完璧」というエピソードがあったんです。
今日GMNTさんのコメントをいただいて、おお、フォントが気になる人に連続に出合った!とビックリしました。

本は図書館で借りるうえに、更にブックオフでも買っているので積読が山のようにあります。
自分でも呆れるくらいに、、、。
それが知らず知らずのうちにプレッシャーになっているのかもしれませんね。
うーん、本との付き合い方を見直すべき時がきているのかも。




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