気にしない練習: 不安・怒り・煩悩を“放念”するヒント (知的生きかた文庫 な 34-6)

著者 :
  • 三笠書房 (2014年12月21日発売)
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本棚登録 : 1739
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月に一回行く本屋で目立つところに置いてあって、そこを通る度に目の端にちらちら入る。
こういうアドバイス本?というのはあまり手に取らないので、どうしようかと悩んだが「やっぱり気になる」と購入。
本のタイトルは『気にしない練習』。
帯によると30万部突破したらしいベストセラー。
おお、30万人もの「‘気にしい’さん達」が買ったわけね、と思うとそれだけで「ひとりじゃないんだ」という安心感(笑)

お坊さんが「気にしすぎる」人達のためへのアドバイスを、仏教的視点で自らのエピソードを多く絡めつつ書き記したもの。
百篇あまりあって、「なるほど」と思わせられるものもあり「その考え方は受け入れられないかも...」と拒否感を感じるものもあり。

特に役立ったのは女医キューブラー・ロスが提唱した「病気になった人の心の変異」のモデル。(仏教的、じゃないじゃん...)
第一段階/否認...自分はこんな病気になるはずない、と否定する時期。
第二段階/怒り...なぜ自分がこんな病気になったのか、という不条理や不可解を怒りとして周囲にぶつける時期。
第三段階/取引...なぜこんな病気になったのか、あれがいけなかった、これがいけなかったと辻褄合わせをし、病気を直すために何かにすがろうとする時期。
第四段階/抑鬱...なす術もなく、気力がなくなる時期。
第五段階/受容...自分の病気や死を受け入れる時期。

思わずひざを打った。
病気だけじゃなく他のいろいろな困難の時も使える考え方だ!と。有名らしく、たしか映画『マン・アップ』でも引き合いに出されていたような気がする。人間って段階踏まないと次に進めないものかもしれない。

でも著者はいきなり第五段階に進みたい、と考えてるんだそうだ。上記のような「心の変異」を知っていれば可能かもしれない。本人も周りも傷つく期間が減る。

あと、「人が自分をどう思うかは『相手の問題』」も去年?再ブレイクしたアドラーさんも言ってたよな~(『世界一受けたい授業』情報)

目次だけでもハッとさせられる言葉が多く、自分のコチコチに固まった頭に風穴を開けてもらった気分。

たまには趣味範囲外の読書も楽しいものですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ、コラム
感想投稿日 : 2017年12月23日
読了日 : 2017年12月23日
本棚登録日 : 2017年12月22日

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