「共感」に過剰な価値を置かれる雰囲気がある昨今。
「そうそう、私も!」「誰にでもそういうところはあるよね」
異質なもの、未知の世界にも自分の心を揺さぶる確かなものがあると宮本さんの描く競走馬を巡る本作から感じる。
誰もが抱く罪悪感、劣等感、競争心といかに向き合うか。
手に負えない状況、自分ではいかんともしがたいなりゆき、沸き起こる、抗えない感情に面して、人はどう対処するのか。
登場人物たちの所業を決して裁かず、描き過ぎず、人が動き、物語が展開していく。
作品にどっぷり浸る充足感がたまらない。
後編へ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年4月30日
- 読了日 : 2021年4月30日
- 本棚登録日 : 2021年4月30日
みんなの感想をみる