なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所 (2018年11月17日発売)
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日常あまり教わることのない価格の決め方に関する一冊。行動経済学の理論の話や実例に基づく話があり、とても分かりやすく面白かったです。

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第1章 行動経済学と価格戦略
東京の水道水は美味しいのにわざわざ1000倍の価格を払ってミネラルウォーターを飲むのは何故?
→合理的ではない人間の行動を行動経済学が解く
アンカリング効果
 人は最初に見た数字や情報に大きく影響される
プロスペクト理論
 人は同じ金額でもお得感より損失感を強く思う
日本の多くのビジネスパーソンは値引きの発想

第2章 コストリーダーシップ戦略
安売りで儲けるには徹底的にやらないことを決定
規模の経済と経験曲線

第3章 無料のビジネスモデル
無料は出費の痛みを失くす効果
無料ビジネスの4つのタイプ
①無料で広げ他の有料版で稼ぐ
②広告で稼ぐ
③フリーミアム(優良顧客で稼ぐ)
④社会貢献活動として行う

第4章 サブスクモデルと現状維持バイアス
サブスクで溜まっていくデータの活用
変動費が小さいビジネスがサブスクに向く

第5章 適応型プライシング、保有効果、クーポン
上手に値引きする3つの条件
①最初に十分高くしておく
②値引き条件をオープンに
③商品自体の価格は下げず条件付きで値引き
適応型プライシング お客様に応じた価格付け
ダイナミックプライシング 条件による上げ下げ
保有効果 人は所有してる物に高い価値を感じる
値引きは最終手段

第6章 フレーミング効果
フレーミング効果
 同じものも見せ方を変えると人の選択が変わる
極端の回避性
 選択肢が3つあると人は真ん中を選ぶ
端数価格効果で割安感を演出
バンドリング、アンバンドリング戦略

第7章 バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
商品を高く売るには、その商品を本当に必要とするお客様を見極めて、どうしても欲しいという希少価値を提供すること。
バリュープロポジション
 お客様が必要として他社が出来ない自社の価値
ブルーオーシャン戦略
減らす・増やす、取り除く・創造する
戦略キャンバス

第8章 値ごろ感と価格設定方法
価格には品質表示機能がある
高い価格にすればヤバい客は消える
値ごろ感の4段階
①安すぎて品質が不安だという価格
②安いけど品質に不安がない価格
③高いけど買う価値があると感じ始める価格
④品質が良くても高すぎて買えない価格
価値基準型価格設定

第9章 顧客ロイヤルティとブランド
顧客ロイヤルティが高いお客様は価格で選ばない
アサエルの購買行動類型

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年8月11日
読了日 : 2023年8月8日
本棚登録日 : 2023年8月11日

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