手術のために入院した病院で、夜中ふと目を覚ますと廊下の奥の方から手拍子の様な乾いた音が鳴り響いた。初日はさほど気にしていなかったが、それは不気味にも日を追うごとに近づいてくる気配がする。 *** それぞれ作者の違うホラー短編が8編。怖さでいえば、前回読んだ同シリーズの方だったが、そうはいっても、やはり恐ろしい。特に1作目の「手の鳴るほうへ」は書かれているシーンを想像して背筋がぞぞっ。主人公が小学生ほどの子供のため、夜中に鳴り響く手拍子はほかの入院患者のいたずらだと初日は処理されていたが、もし自分が入院していて夜中にそんな有様だったらと思うだけで寒気が。 そんな手拍子が日を追うごとに徐々にこちらに近づいてくる様は想像するだけでたまらないほど怖い。皆さんもぜひ想像してみてほしい。病院の真っ暗な廊下の奥のほうから無機質に響く手拍子の音。その奥から巡回中の看護師さんがやってきて「そんな音聞こえないわよ?」と言われた瞬間の怖さを。しかも、その音がある出来事が起こるまで徐々に自分の病室に近づいてくる様を。病院系の怖い話は好きだがやはり苦手でなかなか肝が冷えた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童書(ホラー、怪奇、怪談)
- 感想投稿日 : 2020年9月22日
- 読了日 : 2020年2月21日
- 本棚登録日 : 2020年9月22日
みんなの感想をみる