怪談社書記録 闇語り (竹書房怪談文庫 HO 439)

著者 :
  • 竹書房 (2020年5月28日発売)
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本棚登録 : 29
感想 : 2
3

大喧嘩が原因で縁を切った父親が死んだとの知らせが入った。一度はその知らせを無視しようとしたが、連絡をくれた大家が死後の父親からの伝言だと妙なことを言ってきたのだ。「タンスを、見せてやってくれ……」と。





様々な短編が詰まっている短編集。取材に基づいた実話怪談のようだが、中には短篇小説風のものもあり、怖さの度合いも玉石混交といったところ。この著者の話は初めて読むが一連の話を章分けして読ませるのはそういう書き方なのだろうか。別の話だと思って読み始めたら続きだったという事が多々あり少し読みづらい。幽霊が直接出てくる話もあったが、写真立ての裏のメッセージや、人形、バイトに向けた店からの謎の忠告の紙など物によって伝わってくる間接的な怖さというのが際立っていた。とくに一番最初にあった「お前を許さない」はオチで心臓をつかまれた思いだった。怪文章が出てくる話が複数あり、その怪文章も怖いもの、不気味なものや内容がぶっ飛んでいるものなどいろいろあって非常に楽しめた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(ホラー、怪奇、怪談)
感想投稿日 : 2020年9月22日
読了日 : 2020年9月6日
本棚登録日 : 2020年9月22日

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