黄色い家 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社 (2023年2月20日発売)
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感想 : 786
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ミステリーでもなく、どんでん返しもない。わくわく楽しい話でもない。どちらかといえば、モヤモヤしっぱなし。
それでも惹き込まれた。

所謂底辺、恵まれない家庭環境で育った花ちゃん。頭の回転は早いし努力家。真面目で、思慮深い。一生懸命なのに報われない。どこが間違ってたんだろう。権力!?を持つと変わるのかな。


キレイ事をいえば、どんな家庭環境でも、希望を忘れず誠実に頑張れば幸せになれる。
だけど、正しい方向に導いてくれる人って必要なのかも。その方法の存在すら知らないと何も出来ない。救いを求めることすら出来ない。切ないな。

これ、花ちゃん目線で読んでるから鬱状態も自分ごとのように堪えるけど、桃子や蘭目線だと全く違うだろうな。蘭が案外1番まともな感覚かのかも。

はっきりしない終わり方、普段は苦手だけど、これはこれで余韻がいい。花ちゃんの事、忘れてるし一緒に行かないって返事、失笑。
深く考えすぎちゃう人は、大変だな。

何がどうしても、詐欺は正義にはなり得ない。ただ、小説だしね。
ヴィヴさんの『世の中、出来るやつがぜんぶやることになってんだから、考えたって無駄』『苦労も出来ない馬鹿よかまし』よくも悪くも妙に引っかかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月21日
読了日 : 2024年3月20日
本棚登録日 : 2024年3月20日

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